北清掃工場建替事業と志茂一丁目自治会

志茂一丁目自治会会長 豊﨑 満
北清掃工場の環境を考える会会長 青柳澄明

今までの流れ

①平成29年(2017)5月 北清掃工場建替事業事前説明会建替事業の概要が発表されました。

②平成30年(2018)2月 建替計画との(素案)説明会建替事業の素案が発表されましたが、最近建替えた練馬・光が丘・目黒・江戸川の4工場で採用された解体工事における全覆いテントは採用しないこと。
その理由がいくつか示されたが、最後にお金と時間を掛ければできるとの回答がなされた。

③令和2年(2020)10月 環境影響評価書案説明会東京都の環境条例に基づいて作成が義務づけられている環境影響評価書の原案が発表されました。

この評価書が東京都の環境影響審議会に諮られ、令和3年(2021)5月に自治会及び北清掃工場の環境を考える会として、住宅隣接地の解体工事に全覆いテントは不可欠だという主張の意見陳述を審議会で行いました。

清掃一組から返答がないため、同年9月東京都公害審査会の調停を申請しましたが、同年12月環境影響評価書が申請通り承認されました。

令和4年(2022)2月から12月まで計5回の公害審査会が開かれ、当方は北法律事務所を代理人として、全覆いテントや騒音・振動の少ないワイヤーソー工法などの採用を強く要求しましたが、入札に影響がでるという理由で、清掃一組は一切回答を拒み、調停は不調に終わりました。

その後、当方も専門家や専門業者からアドバイスを頂き技術的に施工可能との認識を得たこと、さらに前区長から清掃事業に精通した山田区長に代わり、北区生活環境部長の協力も得て清掃一組と粘り強い交渉を続け、入札条件に全覆いテントとワイヤーソー工法が加わりました。

④令和5年(2023)5月 解体工事説明会
 Ⅰ、敷地の関係で、全覆いテントが掛けられない工場棟の南側部分は露出で先行解体するが、騒音・振動の少ないワイヤーソー工法を採用すること。
 Ⅱ、地下の3mの底盤は騒音・振動が大きいのと洪水対策も兼ねてそのまま残すこと。
 Ⅲ、そのことによって、地盤を3m上げるが、建物の高さは計画の31mまでに抑えること。
 Ⅳ、汚染土壌が出た場合は敷地外へ搬出すること。
などが約束されました。

説明会に先立って開かれた建替協議会(北区が座長となり志茂・神谷の各町会長および小中学校の校長・PTA会長ならびに北清掃工場の環境を考える会で構成されている)において、工事協定書の作成を提議しましたが、一部の町会・自治会長より必要なしとの意見があり、不締結となりました。

その代わり、毎月一回清掃一組、施工者フジタの参加を得て定例会を開き工事状況についての話し合いが行われています。
その中で、新工場の設計図面をでき次第、渡してもらいたいと要求していましたが、「まだ確定していない」との理由でやっと入手できたのは令和6年(2024)12月7日でした。
ところが、図面は、令和6年3月25日に出来ていました。

現在の問題点

その図面には環境影響評価書の等時間日影図では北側に落ちる影は道路内に納まっていたものが、新計画図では北側住宅に8m以上影が落ちています。

建築基準法では規制範囲内ですが、清掃工場は東京都の環境影響評価条例によって、より厳しい自主規制が求められているもので、清掃一組が自ら提出した環境影響評価書を無視したことは許されないことと思います。

⑤令和7年(2025)2月 建設工事説明会
 Ⅰ、前記の日影の問題は清掃一組も認め、設計変更を行うこと。
 Ⅱ、それに伴い、変更された計画の説明会を改めて開催すること。
 Ⅲ、地盤が3m上がったことで、コンクリートの壁面がそびえたち圧迫感を与えるようになるので、外装や壁面緑化を今後協議して行くこと。
などが約束された。

令和4年2月に清掃一組が入札者に出した設計仕様書には、『設計・施工にあたり「環境影響評価書」の組合の運営管理事項を除く環境保全のための措置、対象事業の目的及び内容を遵守する。』と明記している。

入手した東京都環境局に提出されていた令和5年2月付の清掃一組からの「事業計画の変更について」では地盤が3m上がったことによる日影については、『今回の変更に伴う計画建築物及び煙突の高さ、位置に変更はないことから、予測・評価の見直しは行わない。』となっている。

また、東京都の「建築紛争の予防と調整条例」によると1万平米を超える建築は東京都の管轄になるが、近隣説明会を開く申出があったときは、説明会を開かなければならないとされている。北区の条例によれば、関係図面一式や工程表を提示しなければなりません。しかし令和7年2月に行われた建設工事説明会ですら、関係図面一式や工程表などは、配布されませんでした。

該当区に独自の制度を設けている場合は、区の建築紛争調整担当に照会することとなっているが、清掃一組は北区の担当に一切問い合わせをすることがありませんでした。北区に指導を受けていれば、「北区中高層建築物紛争予防条例」により、建築確認申請前に近隣説明会を開く義務があります。

清掃一組はこれらを無視して、令和6年4月25日に東京都建築指導課に建築確認申請をしました。

清掃一組の秘匿体質がこの期に及んで、費用や工期に影響しかねない設計変更をしなければならなくなったわけで、正式図面ができた令和6年3月25日から速やかに自治会なり建替協議会なりへ資料を提出していれば、その段階で問題点を指摘できたはずです。これは必要のない税金の無駄使いです。

今後は志茂一丁目自治会ホームページを通じて、建替工事の状況を逐次ご報告いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

※なお、過去の説明会のやりとりは清掃一組のホームページの中で、北清掃工場の説明会の欄でご覧になれます。